Prolog



 
 むかし、天の帝に織女という美しい娘が一人おりました。
 むかし、農耕に一生懸命な牽牛という若者がおりました。

 毎日毎日、機を織り暮らす我が娘を憐れんだ天帝は、織女と牽牛を引き合わせ二人は夫婦となりました。
 ですが、すっかりお互いに心奪われた二人は、他の全てを忘れてしまったかのように夢中になりました。

 機に積った埃を払い、荒れた田を覆う草を薙いで、天帝は怒りを募らせます。
 そうしてとうとう我慢できなくなった天帝は、二人を引き離しことを決めます。
 織女は天帝のいる東の岸に呼び戻され、牽牛は西の岸から出ることを禁じられました。
 天の川を隔てて、長い永い間、離れ離れになったのです。

 織女と牽牛はお互いの行いを悔やみ、以前よりも一層真面目に働きました。
 だけれど、信じていたからこそ深い天帝の怒りは、閉ざされた心は解けません。

 別れの日から一年。
 織女は一人、窓の外を流れる星々の川を見つめ牽牛のことを思っていました。



 七夕のお話を自分なりに少し脚色して書いてみました。
 …牽牛が誰であっても、天帝は(娘の)結婚詐欺にあったとしか思えません。
だって皆基本的に農耕に一生懸命とか想像つかない…

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